仕組みと用語

保険は、多数の者が保険料を出し合い、保険事故が発生したときには、生じた損害を埋め合わせるため、保険金を給付する制度である。保険の対象とされる保険事故には、交通事故・海難事故・火災・地震・死亡など様々な事象があり、人間生活の安定を崩す事件・事故・災害などの危険に対処する。

保険関係の設定を目的とする契約を保険契約といい、保険契約の当事者として、保険料の支払義務を負う者を保険契約者、保険事故が発生した場合に保険金を支払うことを引き受ける者を保険者という。2010年(平成22年)4月1日に施行される保険法では、保険契約について「保険契約、共済契約その他いかなる名称であるかを問わず、当事者の一方が一定の事由が生じたことを条件として財産上の給付(生命保険契約及び傷害疾病定額保険契約にあっては、金銭の支払に限る。以下「保険給付」という)を行うことを約し、相手方がこれに対して当該一定の事由の発生の可能性に応じたものとして保険料(共済掛金を含む。以下同じ)を支払うことを約する契約をいう。」と定義している。

保険者として保険事業(保険業)を営む会社を保険会社といい、日本では保険業法(平成7年法律第105号)により規制されている。なお、保険に関する法分野を研究する学問、および保険に関する法令を総称して広義の意味での保険法という。現在の日本では、保険に関しては商法(第2編第10章)等に定められており、保険法という名の法律はなかったが、商法の規定に今日的見直しを行った保険法が2008年(平成20年)5月30日に成立、同年6月6日に公布された(平成20年法律第56号)。

なお、各種共済団体が行う共済は、保険の一種である。日本では、保険業法に基づく免許を受けた保険会社が取り扱う保険を保険といい、協同組合や共済組合その他の団体が扱う保険を共済といって区別する。

おすすめ情報

    分類

    保険は、種々の観点から分類することができる。いくつかの例を挙げる。
    * 国や地方自治体などの政府が運営する公営保険と民間会社が運営する私営保険(民営保険)
    * 保険契約者が任意に加入する任意保険と加入が義務づけられる強制保険
    * 社会保障制度の一部をなす公保険と個人が任意に加入する私保険
    * 営利を目的とする営利保険と相互扶助を目的とする相互保険
    * 人の生死傷病など人体について生ずる事故を保険事故とする人保険(じんほけん)と物についての滅失・毀損を保険事故とする物保険(ぶつほけん)
    * 航海に関する事故によって船や船荷につき生ずる損害を保険事故とする海上保険と陸上の各種保険である陸上保険
    * 企業を主な保険契約者とする企業保険と個人を主な保険契約者とする家計保険

    お気に入り

      公営保険と私営保険

      公営保険には、社会政策ないし社会福祉としての保険である社会保険と経済政策としての保険である産業保険がある。日本では、公営保険として以下のような制度がある。
      * 社会保険
       o 健康保険制度(被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度など)
       o 公的年金保険(国民年金、厚生年金など)
       o 公的介護保険
       o 労働保険(雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険))
       o 船員保険
      * 産業保険
       o 農業保険、漁業保険、漁船保険、輸出保険など